こんばんは、統計学ド素人の場る越し三平です。
今回は
スタグフレーションという現象をミクロ経済学に出てくる
企業理論を使って考えてみましょう。
スタグフレーションというのは、物価と失業率がともに上昇し景気が後退してしまうような現象を言います。日本では70年代の石油ショック時に生じたとされています。
これは、基本的にはマクロ経済学の問題ですが、ミクロの理論でもとらえることができます。少し数式が多くなりますが頑張ってみましょう。
まず生産関数↓を考えます。

ここで、Y は生産量(供給量)、L は労働投入量、K は資本投入量、H は原油投入量です。資本 K は短期的には一定であることが知られていますので、ここでもそのように仮定しています。
この生産関数は
コブ=ダグラス型生産関数として知られています。なお、対数をとると前回の無差別曲線と同様の式になりますが、ここでは(1)式のまま扱うことにしましょう。
さて、企業の利潤というのは収入−費用ですから、↓となります。

P はそれぞれの価格を表わしています。そして
企業の最適化行動というのは利潤を最大にすることですから、(2)式を L と H にかんして微分してゼロとおきます。その結果が(3)と(4)です。この結果から↓を得ることができます。

ところで、(1)式を変形して整理すると↓を得られますから、

この結果を(5)-(6)に代入して、その結果を整理すると↓となります。

ここで、(11)-(12)式は
企業の生産要素に対する需要関数です。
さらに(11)-(12)を(1)式に代入すると、価格に依存するような生産関数↓を得ることができます。

一気にやってしまいましたが、ここで、(12)式を見てみましょう。原油価格 P
H が上昇すると、原油投入量が減少しますから、(1)式により生産量が減少します。いままでよりも少なく生産することになれば、現状では労働投入量が過剰になってしまうため企業は L を減らすことになります。
そして、
生産量(供給量)が減るということは市場に出回る財の量が減るということですから、需要の法則に従って価格が上昇することになります。
この一連の流れがミクロの企業理論によるスタグフレーションの説明ということです。ここまでの議論では政府の存在を無視していますが、さて政府はどのような政策が可能となるでしょうか?
フィリップス曲線の議論から、失業率を改善しようとすると物価が上昇してしまうため、これは不可能ですね。そして、原油価格は日本には決定権がありませんからどうにもなりません。
恐らく唯一可能な手段は金融引き締め政策によって物価を押し下げることです。しかしながら、これは短期効果があるかについて保証できません。実際に石油ショック時の日本は、企業と民間の努力によって乗り切ったというのが通説になっています。まあ、一時的なショックですから仕方ないかもしれませんが、それが尾を引いて物価高が続いたことは見過ごせませんね(笑)。
繰り返しになりますが、現在の日本はデフレ脱却のために物価を上昇させるようにしていますね。そして中東の情勢を見ているとちょっと不安になったりします。今のところ原油価格は下落気味でガソリン価格も下がっているようですが。
経産省が突然「トイレットペーパーの買いだめを!!」とアナウンスしたのも不気味ですねえ(笑)。
まあ、私も同様の警告を出したいような気がしないでもないような気がしますが(笑)。
脱線しましたが、ミクロの理論もうまく使えばマクロ的な現象の説明に接近できるということです。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでくれた皆様に今日も感謝m(__)m
posted by まるごし三平 at 20:20|
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